株式会社IMAGICA

先進コンテンツ技術による地域活性化促進事業 支援事例

株式会社IMAGICA地球がむき出しの島 三宅島 リアル自然体験VRコンテンツ制作

三宅島島内に多数ある火山景観を高画質・高品位のVRカメラで撮影、かつ立体音響による音響設計を行うことで没入感のある映像を制作。Webやイベント等で発信することにより、2000年の雄山噴火以降に訪問客が半減してしまった島への興味・関心を再喚起し、観光資源の再発掘と観光客獲得のプロモーションとして資することを目的とする。

来島した観光客が時間の都合や悪天候により屋外で行動できない場合でも、島内(観光協会事務所等)でVR映像を用いて疑似観光体験が行える「着地型観光」のメニューの一つとして展開する。また、ネットを通じて世界中に配信することで、「インバウンド(海外旅行者)」や「SIT(Special Interest Tour)客層」もターゲットとし来島を誘引する。

今回のコンテンツ制作について

特に気を遣っている点

実写映像については、実写の画質(解像度、圧縮ノイズ、ビットレート)。
CGについては、リアルタイムCGの品質をVR上で遅延が起きないように調整すること。
音声については、わかりやすい没入感、移動感、画音の相乗効果。

最も苦労した点
  • ・映像については、「Jaunt ONE」が本番撮影の約2週間前の到着だったため、オペレーションやデータマネジメントの準備期間が短かった。
  • ・8K3D撮影素材データのハンドリング(ステッチング、バレ消し、データ保管場所、各工程間の受け渡し)、ステッチング作業の環境整備(PC負荷の高いレンダリング)など。
  • ・音声については、山頂での風による全方向からやってくる不要な音、カメラとの位置関係の中でのマイクポジション、録音機材のバッテリーの持ち、シンプルで低工数なワークフロー構築など。

新たな技術や技法

国内導入初の8K立体撮影が可能な「Jaunt ONE」によるVR撮影(ダイナミックレンジ)による360度空間で、音響も立体的に広がる空間音響。4ch分のユニットを1本に内蔵したAMBEO VR MICによりVRサウンドを収録。

コスト削減に効果的な独自の手法

エンコード処理の簡略化、ステッチング、CG、グレーディングなど既存設備の有効活用。

ユーザーターゲット・年齢制限

立体視で仕上げるため年齢制限有り。
ユーザーターゲットは、地方(宅島)への観光を検討している人や、旅行に行ったが天候等で実際のスポットに行くことができなかった方。2000年の雄山噴火以降に訪問客が減少している島への興味・関心を再喚起したい。ネットを通じて世界に向けて配信することで、訪日を検討している外国人観光客(インバウンド)や「SIT(Special Interest Tour)客層」の来島も促す。

映像酔いを防止する工夫

撮影した映像を端的にまとめ上げ、できるだけ1カットの尺を短くしながら良い画を見せること。実写パートで、カメラFIX、及び低速移動を心がける。コンテンツ体験時の遅延が起きないように負荷調整。

没入感・リアリティ・臨場感を高めるための取り組み

高画質・3D・空間音響という没入感に必要な条件を突き詰めて制作。

地域振興のための注力点

地域の観光協会、自治体と綿密に連携をとり、地域が望むコンテンツに仕上げるための演出を行った。映像コンテンツを自主制作される方々との情報交換を行いながら撮影に臨んだ。三宅島の観光スポット、地元の施設の利用。

実施事業者からのコメント

IMAGICAでは、「Jaunt ONE」撮影による最大8K/120p、18stop相当の高品位VRを中心として、ご予算や演出方法に合わせて、さまざまな撮影と仕上げ手法をご提供させていただいております。長年ポスプロとして培ってきたノウハウを集結し、立体音響やVFX技術と合わせて、かつて体験したことのない“没入感”のあるVR映像を実現しております。
さまざまなカメラや、ヘッドマウントディスプレイが登場し、裾野が広がってきた「VR市場」において、我々が先頭に立って、最高品質を追い求めることが、この先進的な技術が定着し、さまざまなコンテンツが生み出される土壌になると信じて、日々努力しております。