文化庁委託事業「日本映画海外展開強化事業」の一環として、文化庁とジャパン・ソサエティーは、映像産業振興機構(VIPO)と共同で、ACA Cinema Project シリーズ第2弾を開催します。このプログラムは【FLASH FORWARD: DEBUT WORKS AND RECENT FILMS BY NOTABLE JAPANESE DIRECTORS(デビュー作の風景)】(注1)と題して、12月3日(金)から23日(木)まで、アメリカ全土(一部北米地域)にオンライン配信すると共に、12月11日(土)と17日(金)には、ジャパン・ソサエティー(ニューヨーク市)のオーディトリアムで対面上映を行うハイブリッド・プログラムです。
配信開始に先立ち、ストリーミングサイトをオープンし、全ラインナップと作品紹介が公開。新たに、若手監督作品の一つに奥山大史監督『僕はイエス様が嫌い』が加わりました。
▶ストリーミングサイト https://film.japansociety.org/
今回は日本で著名な映画監督である、沖田修一、河瀨直美、阪本順治、塩田明彦、周防正行、西川美和の計6人をフィーチャー。それぞれのデビュー作とその後の注目作を組み合わせて上映し、各監督のキャリアにおける2つの異なる側面を紹介するほか、国立映画アーカイブの協力により、4K修復で蘇った山中貞雄監督の2作品をニューヨーク会場で対面上映。さらに、今注目の若手監督6名の作品を無料オンライン上映いたします。
会期中には、合計20本の映画上映に加えて、今回フィーチャーする6監督によるスペシャルトークや、パネルディスカッションもあわせて配信いたします。スペシャルトークとパネルディスカッションは、日本からも視聴可能です(無料)。日本からも、ぜひお楽しみください。
(注1)Flash forward:未来へ飛ぶ、未来を現出するという意味と共に、映画や演劇等の演出において、未来・将来の場面やシーンを瞬間的に挿入する技法のことを指す。
沖田修一、河瀨直美、阪本順治、塩田明彦、周防正行、西川美和の6人の監督が、デビュー当時からの映画制作の過程や業界の変化を振り返ります。(英語字幕付き)
Part1:河瀨直美、阪本順治、周防正行
河瀨監督デビュー作『朱雀』撮影時に直面した制作の裏話や、阪本監督が驚いた海外映画祭でのエピソード、そして周防監督が明かす『ファンシイダンス』驚きの舞台裏など、今だから聞ける当時の思い出を語って頂きます。
Part2:塩田明彦、西川美和、沖田修一
塩田監督衝撃のデビュー作『月光の囁き』の制作背景、西川監督が感じる時代の変化、そして、沖田監督が考える日本映画の魅力についてなど、ここでしか聞けない貴重なエピソードを語って頂きます。
アーロン・ジェロー氏の司会のもと、角田拓也氏、山﨑順子氏、ジャスパー・シャープ氏が、「Flash Forward」で紹介する日本の6名の監督とその作品について語るとともに、それぞれの監督がデビューした当時の文化的背景や映画業界について議論します。(英語音声のみ)
80年代からバブル崩壊後の90年代、そして新世紀を迎えた2000年代へと時系列に各監督の特徴や国内映画市場の変化、海外の映画祭をきっかけとした国際進出や国際共同製作、そしてコロナ禍における活動や取り組みまで、様々な視点での考察と共に、異なる年代にデビューした6名の監督とその作品について紐解いていきます。
【司 会】アーロン・ジェロー(イェール大学 東アジア言語・文学・映画研究 教授)
FLASH FORWARD:
DEBUT WORKS AND RECENT FILMS BY NOTABLE JAPANESE DIRECTORS
2021年12月3日(金)~23日(木)
① DEBUT WORKS AND RECENT FILMS(12本) ※オンライン配信(有料)
② FOCUS ON SADAO YAMANAKA(2本) ※12/11、17 にNYで対面上映(有料)
③ FILMMAKERS ON THE RISE(6本) ※オンライン配信(無料)
合計20本
① Flash Forward: Conversations with the Filmmakers
② Panel Discussion: Debut Works and Beyond
※オンライン(無料/日本からもオンライン視聴可能)
文化庁、ジャパン・ソサエティー
特定非営利活動法人映像産業振興機構(VIPO)
国立映画アーカイブ ※FOCUS ON SADAO YAMANAKA(2本)上映のみ
・作品により、アメリカもしくは北米地域のみ視聴可能
・オンライン上映チケット:11/15(月)より発売開始(視聴可能地域のみ購入可)
・対面上映チケット:11/15(月)より発売開始
・スペシャルトークはアメリカもしくは北米地域以外からも視聴可能
沖田修一監督
『南極料理人』The Chef of South Polar(2009)
『おらおらでひとりいぐも』Ora, Ora Be Goin’ Alone(2020)
河瀨直美監督
『萌の朱雀』Suzaku(1997)
『Vision』Vision(2018)
阪本順治監督
『どついたるねん』Knockout(1989)
『団地』The Projects(2016)
塩田明彦監督
『月光の囁き』Moonlight Whispers(1999)
『さよならくちびる』Farewell Song(2019)
周防正行監督
『ファンシイダンス』Fancy Dance(1989)
『カツベン!』Talking the Pictures(2019)
西川美和監督
『蛇イチゴ』Wild Berries(2003)
『永い言い訳』The Long Excuse(2016)
山中貞雄監督
『丹下左膳餘話 百萬両の壷(4Kデジタル復元・最長版)』Tange Sazen and the Pot Worth a Million Ryo 4K Digitally Restored and the Longest Version(1935)
『河内山宗俊(4Kデジタル復元版)』Priest of Darkness 4K Digitally Restored Version(1936)
奥山大史監督『僕はイエス様が嫌い』 Jesus(2019) *追加
金子雅和監督『アルビノの木』The Albino’s Trees(2016)
佐々木想監督『サトウくん』A Boy Sato(2017)
内藤瑛亮監督『許された子どもたち』Forgiven Children(2020)
箱田優子監督『ブルーアワーにぶっ飛ばす』Blue Hour(2019)
三宅響子監督『波の向こう』My Atomic Aunt(2013) ほか
ACA Cinema Projectについて
海外における日本映画の上映機会の創出と海外展開を促進する目的で開催される文化庁委託事業「日本映画海外展開強化事業」の日本映画上映プロジェクト。上映だけでなくシンポジウム等も併せて実施し、海外における日本映画や製作者の知名度の向上を図る。特に今回は映画文化の一大拠点であるアメリカでの上映会をジャパン・ソサエティーと共に企画・実施し、幅広い日本映画を紹介していく。
https://www.vipo.or.jp/project/aca_cinema_project_r3/
ジャパン・ソサエティー(JS)について
1907年(明治40年)にニューヨークに設立された米国の民間非営利団体。全米企業最大の日米交流団体として両国間の相互理解と友好関係を促進するため、多岐に渡る活動を1世紀以上にわたって続けている。その活動範囲は、政治・経済、芸術・文化、日本語教育など幅広い分野にまたがる各種事業や人材交流などを通じて、グローバルな視点から日本理解を促すと同時に、日米関係を深く考察する機会を提供している。JSは日米の個人・法人会員をはじめ、政財界のリーダー、アーティスト、教育関係者、学生など様々な参加者を対象に年間約200件のプログラムを提供している。
https://www.japansociety.org
日本映画の海外展開を強化するため、欧米の映画先進国において日本映画の上映を実施するほか、日本の映画人材の技能向上および海外進出促進を目的に、映画関係者等と連携して効果的な短期実研修を実施する事業です。
特定非営利活動法人映像産業振興機構(VIPO)
e-mail: aca_cinema_project@vipo.or.jp