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書籍にとどまらず多彩なIPが集まる世界最大級の見本市「フランクフルト・ブックフェア 2020」が初のオンライン開催に――ドイツ政府の助成により参加無料!(セミナーより再構成)
書籍にとどまらず多彩なIPが集まる世界最大級の見本市「フランクフルト・ブックフェア 2020」が初のオンライン開催に――ドイツ政府の助成により参加無料!(セミナーより再構成)
世界中の出版社やメディア企業が集まる世界最大の書籍の見本市「フランクフルト・ブックフェア2020」は、10月14日(水)~18日(日)の日程で、オンラインで開催されることが決定しました。
VIPOでは、J-LOD補助金「コンテンツグローバル需要創出促進・基盤整備事業費補助金」の一環として、「フランクフルト・ブックフェア」のオーガナイザーであるHolger Volland氏とBeatrice Stauffer氏を迎え、ブックフェア、およびIPに特化した併設見本市「THE ARTS+」の特長や参加のポイント等について紹介するセミナーを8月12日(水)に開催。今回はセミナーの内容を再構成してお届けいたします。
(以下、敬称略)
「フランクフルト・ブックフェア」について
◆ 1450年から始まったブックフェアが初のオンライン/オフライン同時開催に
まず本日のプレゼンテーションは、まだ参加されたことのない方のため「フランクフルト・ブックフェア」の歴史からご紹介しましょう。ブックフェアの起源は何世紀も前になります。正確には1450年から始まりました。当初は文化的な商品の売買を行うマーケットプレイスでした。
当時有名だった画家アルブレヒト・デューラー(1471年〜1528年。ドイツのルネサンス期の画家、版画家、数学者)の妻アグネス・デューラーが、夫の描いた絵画を売るためにフランクフルトにやってきました。その頃からフランクフルトはさまざまな文化的な商品を売買するマーケットプレイスになりました。
2020年はかなり特殊な年になりますが、例年ではこのフェアにはクリエイティブ産業から文化・カルチャーに携わるさまざまな職種の方たち、あらゆるプレーヤーが集まってきます。
毎年世界ではおよそ250万冊のタイトルが新しく出版されると言われています。250万冊の中、何千冊かのあらゆる分野の専門家や小説家、著者たちが「フランクフルト・ブックフェア」に参加して、自分たちが書いた書籍を紹介します。
このフェアには、例年7,500のメディア企業、テック企業や文化系の団体・出版社も出展しています。合わせてライセンスの売買に携わっている売り手・買い手もこのフェアに参加しています。加えて1万人のジャーナリスト・記者・インフルエンサー・ブロガーもやってきます。その方たちを通して4億5200万人ものメディアやコンタクト先へさまざまなコンテンツが拡散・配信されていきます。
またフェア期間中の5日間、例年では27万人から30万人の来場者を見込んでいます。この中には科学者や著者、写真家、美術館・博物館の学芸員、読者、政治家など、さまざまな方たちがいらっしゃいます。
◆ さまざまなIPとのコラボレーション
当然、「フランクフルト・ブックフェア」の来場者は何百万冊という本を目にすることになります。ただそれだけではありません。「THE ARTS+」(アーツプラス)というエリアで開催されているファッションショーやさまざまな形のクリエイティブな表現がこのフェアでは行われています。
ブックフェアでなぜファッションショーを? と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、「フランクフルト・ブックフェア」はIPを売買するマーケットプレイスです。そのIPにはモデルのスタイルやデザインも含まれています。
ブックフェアを通して育まれたコラボレーションの1例として、カナダのMaya Kodesというホログラムのアイドルがパフォーマンスをした際に着用した衣装が挙げられます。彼女のドレスはフェアを通して発表された新しいデザイン(IP)でした。
このような形でフェアを通してコラボレーションが進んでいます。ぜひ日本で有名なホログラムアイドルの初音ミクにもブックフェアに参加して欲しいですね。
また「フランクフルト・ブックフェア」は長年にわたり映画産業と出版産業を深く結びつけています。約15年、フェアを通してさまざまな文学賞が授与され、その中から人気のある作品は映画化・映像化もされました。「フランクフルト・ブックフェア」は映画に焦点を当てたプロジェクトも行っています。多くのハリウッド映画やストリーミングで成功している作品の半分以上は書籍が原作となっています。映画制作側も優れたコンテンツに早くアクセスをしたいとブックフェアに来場されています。
このフェアの期間中にはさまざまなアクティビティが行われます。書籍(原作)から映画化された作品に贈られる賞の授賞式や、「フィルムデー」という世界中の制作者やプロデューサーを招くイベントもあります。また「カンヌ国際映画祭」や「ベルリン国際映画祭」、「トロント国際映画祭」ではデリゲーション(代表団)を連れて参加しており、フェスティバル側と連携してピッチイベントなどを実施する等、出版業界と映画業界をつなげる機会を多く設けています。
またフェアでは、オーディオプラットフォームと出版業界を連携する新しい取り組み「フランクフルトオーディオ 」も行っています。この取りを行っています。これは、ポッドキャスティングやオーディオブックという新しい業界と従来の出版業界をつなげるため、プロデューサーやコンテンツ制作側と、バイヤーを一堂に集めて展示などを行う、国際的なイベントとなっています。
◆ 人権保護
このように従来の出版業界の枠を超えて活動を行っている「フランクフルト・ブックフェア」ですが、その中で特にご紹介したいのが人権保護のための活動です。「表現の自由を世界中で守っていこう」と国連やその他のパートナーと一緒に行っています。フェアの期間中はもちろん、1年を通してさまざまなイベント、メディアや出版を通してこの訴えを行っています。なぜこの活動を行うのかというと、出版の自由、表現の自由が出版社やコンテンツ制作側のいちばん重要な権利であり、それを無くして私たちは作品を作り出せないからです。
◆ 2020年の「フランクフルト・ブックフェア」がどのようなものになるのか?
ここからは、特別バージョンとなる2020年の「フランクフルト・ブックフェア」をご紹介いたします。まずは会場(オフライン)で行われる内容をご説明いたします。その後、並行して行われるデジタル(オンライン)開催についてご紹介していきたいと思います。
今年は、会場では、よりBtoBに焦点を当てたフェアになることを想定しています。参加者はドイツ国内、近隣の諸国からの参加を見込んでいて、それ以外の海外の地域からの参加者はかなり限られてくると思います。BtoB、BtoCのニーズをきちんと把握し、それに見合うオンラインサービス提供ができるように準備を進めています。いずれにしても、国際的な読者につなげることを目的としています。BtoCは世界の読者が対象になりますから、主に週末に企画をしています。フランクフルト市内のあらゆるロケーションで行われる予定です。
ホール6は主にドイツの出版社が集まっているエリア、4は中央アジア、北欧、STM、スカンジナビア、フランクフルト、ETUという教育産業向けのプラットフォームもこちらに位置する予定です。
Agoraの隣の白い四角の部分がフォーラムとなり、「THE ARTS+」(後述)が使用するスペースとなります。
◆ 日本企業の動向
2019年度日本のナショナルブース
今年は個々の出版社の独自参加が難しいことが予想されるため、国ごとのナショナルブースを設置いたします。日本書籍出版協会がとりまとめている日本のナショナルブースもあります。日本のナショナルブースは1960年代初頭から参加している長い歴史があります。昨年は22社が合同で参加してくださいました。ここ4年で日本からの参加企業数が大きく増えています。昨年、一昨年では20%増しています。引き続き、日本から多くの企業に参加していただければと思っています。
日本からは、エージェントからアートブックの出版社、化学・学術出版、児童書・ヤングアダルトの出版、コミック・マンガ出版社と、さまざまな企業の方たちにお越しいただいています。
実際に参加いただいた方から参加後にいただいたコメントからは、以下の3つのことが言えます。
このフェアに参加することで、
1. 海外の読者やオーディエンスの方たちと連絡先を交換することができる。
2. ニーズ・市場調査が可能。
3. 日本の書籍やコンテンツに対する世界中からの熱い関心を実感できる。
参加いただいた企業の方たちにはそれらを直に体験いただいたのではないかと思います。
◆ オンラインでのサービスについて
デジタル(オンライン)のイベント&サービスの対象は、フェアの期間中およびその先も含めて、現地で参加できる方/できない方の両方です。
このオンラインサービスには3つの目的があります。
1. ビジネスの促進
2. 見える化する
3. 世界の読者・オーディエンスにつなげる
ことです。
今年はドイツ政府から援助を受けることができたため、出展者や参加者の方たちには、これからご説明するさまざまなオンラインサービスを無償で提供することができるようになりました。
◆ デジタル(オンライン)出展を検討している方たちに向けて
現在、さまざまなカンファレンスやBtoBのイベントが企画されています。オンライン出展者は、出展「出展企業名簿(カタログ)」(Exhibitor Directory)や「イベントカレンダー」(Calendar of Events)への登録が可能になります。また、権利の売買が行われるプラットフォーム「フランクフルト・ライツ」(Frankfurt Rights)へのアクセスや、「マッチメイキング・ツール」(Matchmaking Tool)を活用していただくことが可能になります。
○ 「出展企業名簿(カタログ)」(Exhibitor Directory)
何年も行っている「出展企業名簿(カタログ) 」には、出展企業の連絡先や情報が全て記載され、検索することができます。今年は現地参加(オフライン)/デジタル参加(オンライン)のどちらでも、全員がこの出展企業名簿に載るオプションがついています。このカタログに各企業のプロフィールを記載していただきますが、画像や動画、ビデオコンテンツやSNSのボタンの埋め込み等のご要望にもお応えします。
○ 「フランクフルト・ライツ」(Frankfurt Rights)
オンラインプラットフォームである「フランクフルト・ライツ 」では作品の売買ができるのですが、ご自身の企業がIPやクリエイティブコンテンツを所有している場合は、「フランクフルト・ライツ」に権利を登録することができます。カタログになっていますので、権利を買いたいという方が検索をして連絡を取り合うことが可能です。
○ カンファレンスプログラム」
さまざまなカンファレンスプログラムには、出版業界やクリエイティブ産業のプロの方たちが集まって業界の洞察やさまざまなトークや、ネットワーキングを行います。
公式サイトに詳細情報を随時追加していきます。イベントが行われた後には、全てのイベントをアーカイブするので、オンデマンドで視聴することも可能です。
○ 「マッチメイキング・ツール」(Matchmaking Tool)
「マッチメイキング・ツール 」のアプリは以前からありましたが、今年はさらに改善されたものを提供します。ご自身の企業名等を追加することによって、マッチメイキングのオプションをオンにすることができます。
○ 「イベントカレンダー」(Calendar of Events)
参加者や出展企業の皆様にはぜひ独自のイベントを企画・開催していただきたいと思っています。そのイベントをぜひ「イベントカレンダー 」にご登録してください。このカレンダーには、トレーラーや企業ロゴやイベントへの直接リンクを貼ることができますから、広くイベントをプロモーションして欲しいですね。そのイベントを通して自社のサービスやIP、出版プログラムについて効果的に紹介できると思います。
◆ 「フランクフルト・ブックフェア」に実際に参加するための流れ
デジタル(オンライン)サービスは8月中旬から登録可能になります。参加を検討している方はどのような形で参加されるのか? どうような形で発表するのか? 想像力をフルに働かせてご検討されてはいかがでしょうか?
企業の紹介をしたいということであれば、イベントを通じて紹介をすることになると思うので、どのようなイベントフォーマットで開催するのか、イベントのコンテンツや内容はどうするのかをぜひ考えてみてください。そうすることでフェアで企業を最大限にアピールできると思います。ぜひ今のうちからアイデアをどんどん出していただければと思います。
参加への第1ステップは、企業の登録になります。こちらのリンク からデジタル出展者(Digital Exhibitor)の登録をしてください。
企業登録の完了後、オンラインでのビジネスプロフィールの作成が可能になります。そうしますと、「出展企業名簿(カタログ)」(Exhibitor Directory)の中でプロフィールを作成するとともに追加機能も活用することができますし、イベントを考えている場合は「イベントカレンダー」に追加することも可能です。
またライツホルダーであれば、「フランクフルト・ライツ」で企業プロフィールを作成して、ご自身が所有している書籍やタイトルを掲載することが可能になります。
第2ステップは、自社のチャネルを活用してのイベントの告知です。その場合はハッシュタグ「#fbm20」を使ってどんどんプロモーションをしてください。
ほとんどのBtoBイベントでは、事前登録が必要となります。9月中旬にBtoBイベントやプログラムが公式サイト上に掲載されますので、参加するイベントへの登録をお願いします。フェアの期間中(10月12日~18日)は、ご自身のイベントをプロモーションしてライブストリーミングで配信すると良いと思います。
さまざまなセッションがあるので積極的に参加をして、貴重な知見を得たり、マッチメイキングを楽しんだりすると良いと思います。また、「出展企業名簿(カタログ)」などを使ってライツの売買や「マッチメイキング・ツール」の活用を積極的に行うと良いと思います。
日本の合同ブースで自社の出展をしたい場合は、日本のナショナルスタンドをオーガナイズしている日本書籍出版協会の吉野さん宛にメール〈yoshino@jbpa.or.jp〉でご連絡ください。
または、併設見本市「THE ARTS+ 」(後述)のパートナーになるという方法もあります。「THE ARTS+」のパートナーになることによって、企業や所有しているコンテンツのビジビリティを高めることにつながりますので、こちらもご検討ください。
◆ これからのコンテンツ業界
2020年は出版・メディア業界にとってとても厳しい年となっています。世界の各地でフェアが一切開催されておらず、国際的なビジネスの部分にも穴が開いてしまっている状態です。同時に、世界中で新しいコンテンツ、書籍、タイトル、動画、映画、ストリーム作品への新しい需要が高まっているのも感じています。
しかし、新しいコンテンツを制作する側がかなり制限されてしまっている状況です。このような国際的なビジネスが全くない中、需要だけは大きくあり、制作が追いついていないことが来年以降、大きな問題になるでしょう。世界中がこのような状況下になって初めて開催される「フランクフルト・ブックフェア」に参加しようと、米国、アルゼンチン、メキシコ、アジア、日本、中国、インド、ヨーロッパ……多くの業界の方たちが参加予定となっています。
その参加を可能にするために、VIPOが事務局を務めるJ-LOD補助金 をはじめとして、各国の政府からも支援をいただいているようで、大変感謝をしています。ぜひフェアを通して、出版のタイトルや新たなビジネスのオファーをご紹介していただければと思っています。現地(オフライン)での参加が叶わないのであれば、デジタル(オンライン)での参加をご検討していただければと思います。今年はオンラインで参加するほぼすべてのサービスが無料で提供されることになるので、ぜひそれらを活用してフェアに参加して、ともに国際的なビジネスを作り出していただけたらと願っています。
IPに特化した併設見本市「THE ARTS+」(アーツプラス)について
◆ 「フランクフルト・ブックフェア」のフラッグシッププロジェクト
「THE ARTS+ 」は、とても特別なプログラムで、「フランクフルト・ブックフェア」のフラッグシッププロジェクトになっています。私たちが掲げている戦略2030では、このプログラムをさらに拡大するという目標をたてています。
「THE ARTS+」は、もともとは出版業界と国際的なクリエイティブ産業を繋げる役割を担う目的で5年前から始まったプロフラムで、「フランクフルト・ブックフェア」のスピンオフプロジェクトです。クリエイティブ産業の中には映画、テレビ、ミュージアム、音楽、ゲーム、デザイン、アートなどが含まれます。
主にマッチメイキングの形をとっていて、加えて、ステージ上でのプレゼンテーションもありますし、展示として革新的なイノベーティブなコンテンツ、クロスメディアのビジネスモデルなどもご紹介します。
プロジェクトを立ち上げた背景には、クリエイティブコンテンツマーケット全体を盛り上げていこうという意図がありました。世界中を見ても、クリエイティブコンテンツを1カ所に集めたマーケットプレイスは無く、書籍は書籍、映画は映画など個別に分散されていました。したがって全てが集まるマーケットプレイスを作れば、クリエイターの方たちにも売り込むチャンスはより広がりますし、バイヤーや企業パートナーもクリエイティブコンテンツを見つけやすくなるのではないかと思いました。
◆ さまざまなパートナーとの出会い方
「フランクフルト・ブックフェア」には何千何万ものクリエイティブに関わっている方が参加しています。その方たちはお互い「THE ARTS+」を通じて出会っています。さまざまなイベントが企画され、フィルム・ミーツ・パブリッシングや、アート・ミーツ・テクノロジーなどのイベントを通じて、それぞれの業界の方たちを招いてマッチングメイキングを行っています。このような業界の垣根を超えたビジネスで大切なことは、自らのコンテンツや作品を売り買いできるパートナーを見つけることです。
これまで、さまざまなクリエイティブコンテンツのためのピッチングイベントをする場がなかったので、「THE ARTS+」の中に、ピッチングを行うためのプラットフォーム「Pitch your CIP 」を新たに立ち上げました。CIPはクリエイティブ・インタラクティブ・プロパティの略です。
4週間の中で何千何万もの国際的なクリエイティブ産業の方たち、版権エージェントや編集者、ライセンサー、ライセンシー、映画・テレビプロデューサーなどを招いて非公開のユーザーグループの中でマッチングを行います。オンラインの非公開グループで、お互いが気兼ねなく、いろいろな業界の方たちと会える環境です。このグループに参加したい方は、フェイスブックから参加手続きを行っていただければと思います。
◆ クリエイティブコンテンツを使った新しいビジネスアイデア
今年のフェアでは「THE ARTS+」でも新たな取り組みを行います。プログラムはかなり限定的になってしまい、フランクフルト現地でのイベントの規模は小さくなりますが、その中でさまざまなクリエイティブコンテンツを使った新しいビジネスアイデアを紹介していきたいと思います。こちらは現地での紹介と合わせてさまざまなメディアチャンネルでの紹介となります。
プログラムは主に、フェアの期間中の水・木・金曜日で行われます。水曜日は各超現実VR、AR、XRのトピック、木曜日はライセンシング、マーチャンダイジング、商品化のトピック、金曜はフィルム、ゲームにおけるパートナー探しというトピックでプログラムを予定しています。それぞれの基調講演、インタビューやマスタークラス、ピッチイベントが予定されています。
「THE ARTS+」はさまざまな団体とパートナーシップを組んでいます。タイやカナダなど各国にあるVIPOのような国内のクリエイティブコンテンツの海外発信を促進している機関や団体がパートナーとなっています。パートナーが企画するクリエイティブなイベントなどを「THE ARTS+」のコミュニティの中でプロモーションすることができて、現地(オフライン)でもデジタル(オンライン)でも「THE ARTS+」に参加している方たちと広くつながっていくことができます。パートナーシップに興味のある方は、詳細情報をお送りしますので、ぜひご連絡ください。
Q&Aセッション
Q1 「PITCH your CIP 」についての質問です。「フランクフルト・ブックフェア」として、VIPやエクスパートを招聘されるのでしょうか? その場合、どのような方が参加されるのでしょうか?
A フェイスブックの非公開のメンバーに登録している中から参加することになります。国際的なネットワークではありますが、主にコンテンツのバイヤーとセラーから構成されるグループになるので、そのような方が参加することになります。興味を持たれたなら、プラットフォームに登録してコンテンツのアップロードをしていただければと思います。登録の際はリクエストをフェイスブックに送っていただき、承認されたらコンテンツをアップロードしてネットワークにご参加ください。通常、フェイスブックでビデオなどをアップロードするのと同じやり方でIPやコンテンツをアップロードできます。全て無料ですから、ぜひご検討ください。
質問のVIPやエクスパートを招聘するのか? という点に関してですが、そちらについて主眼は置いておりません。このセッションは、グループの方がピッチを行うことを目的としているので、もちろんピッチを行う方がIP制作会社のVIPというケースはありますが、あくまでピッチを行うための場ですので、マッチメイキングが目的ではありません。マッチメイキングに関しては別のセッションになります。
Q2 「フランクフルト・ライツ 」への登録(会社、タイトル等)は無料なのでしょうか?
A 今年は無料で登録できます。通常であれば、メンバーのサブスクリプションフィーが発生しますが、今年はドイツ政府から補助金が出ましたので、登録やオンラインサービスは無料です。
Q3 例えば、海外に紹介したい日本の作品の紹介動画(または資料)を、「フランクフルト・ブックフェア」の主催者を通じて、欧米圏の出版社に紹介することはできるでしょうか? その方法は?
A 2つ方法があります。
1つはスタンダードな方法で、「フランクフルト・ライツ」に作品をご登録ください。今年はさまざまな追加機能が無料で使えますので、そこに作品紹介のビデオを付け加えることや著者のインタビュー動画や作品のプレビュー、ビジュアル資料を追加することもできます。
2つ目は、スポンサーシップです。紹介動画等がある場合に、スポンサーシッププログラムを通して、イベントの開始前や冒頭に紹介動画を流すやり方もあります。スポンサーシップはかなりカスタムメイドでいろいろな形できます。さまざまな方法を検討できると思います。
Q4 フランクフルト現地(オフライン)では参加できて、デジタル(オンライン)では参加できないイベントやセッションはありますか? 逆にオンラインならではの新しいセッションがあれば教えてください。
A オンラインならではのイベントも提供されます。「イベントカレンダー 」の中に、オンラインのみのイベントなのか? そうではないのか明確にマーキングされるのでそちらをご確認ください。現地については、フェア開催については制限があるため、大きなステージを設けることはできません。その代わり、各出展企業のブースで小さなイベントが開催されます。大きなスタジオもありますので、200名くらいまでの規模のイベントを行う予定です。こちらは録画するので、放送で視聴していただくことも可能です。
オンラインだからこそのセッションもありますが、現地にいらした方は全てご自身の端末から視聴できるので、どちらの参加でも視聴いただけるものとなっています。基本的には現地のセッションも全て配信することを考えていますので両方見ていただけると思います。
Q5 デジタル(オンラインで)参加するにあたって、特別に用意したほうがいいもの(例えば、作品紹介をビデオにまとめたものなど)はありますか?
A まずは登録して、企業プロフィールを作成する際に、より多くの情報を入力したほうが、より企業のビジビリティが高まると思います。その際にビデオなどもあれば、より効果的に企業をプロモーションできると思いますが、必須のものではありません。
出展者として登録していただいて、イベントを企画するのであれば、ビデオはあったほうが良いと思います。日本の作品を海外の出版社に紹介するようなものを作成していただければ、「出展企業名簿(カタログ) 」にイベント情報を載せた際にビデオへのリンクを直接貼れるので、より伝わりやすいと思います。
Q6 出版業界とそれ以外の業界の参加割合はそれぞれどのくらいですか? また出版以外の業界からの参加者はコンテンツを探しにくるバイヤーが多いと考えてよいのでしょうか?
A 毎年割合は変わりますが、出版業界からの参加者が75~80%、それ以外のクリエイティブ産業からの参加が20~25%となっています。
おそらくバイヤーが一番多くなるとは思いますが、アイデアを求めていたり、共同プロジェクトのパートナーを探していたりする作者もいます。
Q7 デジタル(オンライン)で参加する際、現地(オフライン)での出展以上に、BtoBプロモーションが重要と感じています。オンライン参加での具体的なプロモーションのアイデアがあれば教えてください。
A 「出展者企業名簿(カタログ)」をフル活用していただくことだと思います。企業プロフィールを作るときに、できるだけ具体的に多くの情報を記入すると良いと思います。どのセクターでビジネスをしているのか、フェアを通して何を具体的に求めているのか? 等の情報をプロフィールと合わせてご登録ください。
同様に「フランクフルト・ライツ」と「イベントカレンダー」を登録するときも、できるだけ多く具体的にご記入ください。これらこそがBtoBのツールになるので、こちらにできるだけ多くの情報を詰め込むのが重要になってきます。
それに加えてカンファレンスプログラムやネットワーキングのイベント、ピッチのイベントもありますので、ご自身が求めるものに登録して参加するのが良いと思います。
Q8 「The Arts+ 」のプログラムの中には、マスタークラスやピッチングを行う機会もあるようですが、参加基準が設けられているプログラムもありますか?
A パートナー団体が選定したり、ブックフェア側から依頼した方が話す仕組みになっているので、もちろんスピーカーとして一定の質に達している必要はありますが、 参加(視聴)に関して基準はありません。
Q9 “curated networking sessions offered by FBM”に参加するためには、特別な申し込みや費用がかかるのでしょうか? これ以外の手段としては、参加者はどのように商談アポをとればよいでしょうか?
A セッションの参加費用は無料です。ネットワーキングやマッチメイキングも費用はかかりませんが、どのような方たちが参加するのかを私たちが把握するため、事前予約や登録が必要です。セッションツールを活用してデジタル(オンライン)で商談をしますが、アポ取りは参加者ご自身で行う必要があります。
セッションは登録する際に具体的に多くの情報を記入することが重要となります。個人として登録をする際にも、何に関心があり、何を求めているのかという情報を登録することでマッチメイキングの精度も上がっていくと思います。
Q10 ビジターとして参加する場合、現地かデジタル(オンライン)かによって登録方法は異なるでしょうか?
A 現地(オフライン)参加かオンラインでの参加は購入していただくチケットが異なります。登録方法は同じでウェブサイトから購入していただくことになりますが、購入チケットの種類が変わります。
Q11 「出展者企業名簿(カタログ)」、「フランクフル・トライツ」、「イベントカレンダー」などをBtoBで展開したいと考えていますが、これらには誰でもアクセスできるのでしょうか? ビジネス目的以外のコンタクトを避けることはできますか?
A 登録前からイベントカレンダー、「出展者企業名簿(カタログ)」の情報は公開されているので、それらには登録していなくても誰でもアクセス可能です。ただし、「フランクフルト・ライツ」は登録したユーザーしかアクセスできません。グーグルなどで検索しても表示されないようになっています。
また、「マッチメイキング・ツール 」に関しても、企業情報などが掲載されているので、登録した方たちのみがアクセスできる、あくまでもBtoBのツールとなります。
Holger VOLLAND(ホルガー フォランド)
「フランクフルト・ブックフェア」バイス・プレジデント
THE ARTS+ 創設者
フランクフルト・ブックフェアのマネジメント委員であり、インターナショナルビジネスディベロップメント&セールスの責任者。中国支社長であり、文化テクノロジー見本市であるTHE ARTS+の創設者・ディレクター。著書に『Die kreative Macht der Maschinen(対訳:機械のクリエイティブパワー)』(出版:Beltz Verlag/2018)があり、文化芸術の分野におけるAIの影響についての研究を行っている。
Beatrice STAUFFER(ベアトリス シュタウファー)
「フランクフルト・ブックフェア」キーアカウントマネージャー
Frankfurt Book Fair キーアカウントマネージャー
出版業界において10年以上のキャリアがあり、2016年の立ち上げ時より、フランクフルト・ブックフェアのフラッグシッププロジェクトであるTHE ARTS+に関わり、同プロジェクトをクリエイティブビジネスにおける重要プラットフォームに育て上げた。THE ARTS+の顧客とパートナー企業との折衝担当。
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