VIPOでは、2017年9月14日(木)・15日(金)の2日間の日程で、日本シナリオ作家協会理事長である脚本家の加藤正人氏による映画脚本の読み込み講座を実施しました。
映画におけるもっとも重要な土台であり設計図である脚本。1日目は、その書式の基本的な知識、発想と構成の方法(モチーフからテーマ)、シナリオハンティングなど取材の重要性、ストーリーとプロットの違い、台詞とト書きの役割と特長などを説明しました。
2日目は、人物設定、加藤氏自身の脚本作品の脚本解説、映画の名シーンから読み取る技術などを学びました。質疑応答では、2日間の講座内容について10名の受講者から次々と活発な質問がなされました。演者として、脚本家の考える人物設定に対して、役者はどこまで役作りで人物設定してよいか、また台詞の語尾をどこまで変えてよいか?など。加藤講師から映画と舞台の違いを例に答えていただきました。また、作り手からは、本流のエピソードと枝葉のエピソードをどう繋げるか、良い企画の出し方、質は高いが視聴率に反映しないTVドラマをどうすれば良いか?といった質問に、ネット配信や中国でのリメイクなど日本の映像業界の置かれている状況を含め広い視野から答えていただきました。
本講座の受講者は26名。12名の俳優や、映画・放送業界はじめゲーム業界などからもプロデューサー、企画、監督・演出、脚本、撮影、宣伝など実際の映像制作業務に携わる方々が参加しました。
講座終了後のアンケートでは、「濃厚な講義」「期待以上の発見・勉強ができて満足」「俳優としての視点だけではなく、脚本家やプロデューサー目線で作品作りを知ることができた」などのポジティブな意見が寄せられました。また自身で脚本を書きたくなったという人が86%となりました。
講座2日目の終了後には懇親会が催されました。加藤講師と、2日間ともに学んだ俳優達と制作に関わっている作り手達が活発に意見交換しながら交流、大いに盛り上がりました。
場所:映像産業振興機構(VIPO)ホールR
1日目 9/14(木)10:00~17:00
●シナリオの書式についての解説
●発想と構成(モチーフからテーマ、そしてパラダイムへ)
●台詞とト書き(テキストとサブテキストの意味)
2日目 9/15(金) 10:00~17:00
●人物設定について
●脚本解説
●映画の名シーンから読み取る技術
●質疑応答
●講座終了後 懇親会
映画・TV・演劇・ゲーム・WEB・音楽業界から、俳優、プロデューサー、企画、監督・演出、脚本、撮影、宣伝に関わる方々まで計26名
20,000円 (税込)
映画におけるもっとも重要である脚本とは何か。この土台であり設計図である脚本をいかに読み込むか。
俳優として脚本を読む時の台詞以外の行間、ト書きをいかに読み、登場人物に反映させるのか。また俳優に限らず脚本家志望はもとより映画スタッフ(プロデューサー、助監督、撮影、照明、録音、美術)としても脚本を読み込み、いかに映像作品として具現化させるかを学びます。カリキュラムとしては脚本の書式についての解説、発想と構成(モチーフからテーマ)台詞とト書き、人物設定等、具体的な映画作品の脚本解説、映画の名シーンから読み取る技術などです。
特定非営利活動法人映像産業振興機構(VIPO)
日本シナリオ作家協会理事長
主な作品:『雪に願うこと』(2006、第18回(2005年)東京国際映画祭 東京サクラグランプリ)、『クライマーズ・ハイ』(2008、第32回日本アカデミー賞優秀脚本賞)、『孤高のメス』(2010、第34回日本アカデミー賞優秀脚本賞)、『天地明察』(2012)、 『だいじょうぶ3組』(2013)、『ふしぎな岬の物語』(2014、第38回日本アカデミー賞優秀脚本賞)、『エヴェレスト 神々の山嶺』(2016)、「火花」(2016 Netflix 第54回ギャラクシー賞テレビ部門フロンティア賞)、『彼女の人生は間違いじゃない』(2017)、『ミッドナイト・バス』(2018年1月公開予定)