VIPOは、将来の映像産業を担う俳優の発掘と育成を目指し、第一線で活躍する映画監督による、俳優養成の2日間集中講座第三弾を2017年4月20日(木)、21日(金)に開催しました。今回は、野村萬斎さん主演のエンタテインメント時代劇『花戦さ』(2017年6月3日公開)の篠原哲雄監督を講師に迎え、両日とも講義、芝居のレッスン、主に映画用台本による少人数分けグループの実践的なレッスンを実施。また、本ワークショップは篠原監督映画新作準備作品のオーディションも兼ねました。
参加者は、計20人(男性11人・女性9人)。2日目のワークショップ終了後の懇親会では、監督と役者たちが語り合い、もっと長くワークショップを受けたかったという熱望の声が聞かれました。
▼第一回 犬童一心監督および渡部亮平監督によるワークショップの開催レポートはこちら
▼第二回 竹下昌男監督によるワークショップ&オーディションの開催レポートはこちら
2017年4月20日(木)、21日(金)<2日間>
1日目10:00~18:00、 2日目 10:00~21:30(懇親会実施) 両日9:30受付、昼休憩あり
男性、女性ともに16歳以上の映像を目指す演技者 ※書類選考あり
20名(男性11人・女性9人)
30,000円 (税込)
映画監督 篠原哲雄
4/20(木)
午前中 篠原監督と各参加者の自己紹介
篠原監督は、ワークショップで出会った俳優達がどういう人なのか知りたいという気持ちで毎回臨んでいます。今までの自身が演出した経験から俳優の魅力、どのような俳優と仕事をしたいかなど語っていただきました。
続いて各参加者による10分程度の自己紹介。プロフィールだけではなく芝居を志すきっかけや、芝居に対する考え方などを話していき、監督が質問したり時にはアドバイスも行ないました。
午後 グループごとのシーン演習
監督が前もって受講者に渡していた脚本のシーンをグループに分かれて演習。演技によって登場人物の関係や見え方が変わってくるという、男性1人と女性3人の会話劇等を演じました。
4/21(金)
午前中 1日目に続いての同じシーンの復習
1日目より動きや会話のやりとりが上手になってきていることを監督・役者ともに実感しながら演じました。
午後 新たなシーンのグループ演習
新たに2つのシーンをグループごとに分かれて演じました。1つ目は居酒屋にて男女5人のシーン。そして2つ目は男女2人の修羅場、感情のぶつかり合いとなる迫力の演習でした。
自分が動くことによって相手に仕掛けるというサッカーのパスワークのように芝居を広げていくこと、演技の場で動く、移動することにも意味があり次の芝居のリアクションにつながっていくと説明。たとえ端役でも、どのようにシーンや主役の役者に絡んでいくかということを考えることの大切さを力説しました。
懇親会
遅くまで大変盛り上がり、受講者達からもっと長い期間でワークショップをやってほしいという熱い意見が多く出されました。
【受講者の声 VIPO実施アンケートより】
*回答者有益度100%
・2日間はあっという間でした。
・こんなにも濃い、密な時間を過ごせて、本当に嬉しかったです!
・自分がどういう役に合っているのか、これからやっていく方向性が掴めた気がします。
・(VIPOアクターズワークショップを)これからも是非続けて頂きたく思います。
1962年生まれ。東京都出身。
大学在学中から助監督見習として映画制作の現場に参加。森田芳光、根岸吉太郎、中原俊、金子修介監督達の助監督をつとめる。1989年、自主製作映画『RUNNING HIGH』がぴあフィルムフェスティバルにてPFFアワード89特別賞を受賞。続いて自主製作した『草の上の仕事』(1993)が、神戸国際インディペンデント映画祭にてグランプリを受賞し、劇場公開され監督デビュー。『月とキャベツ』(1996)が初の劇場用長編作品となる。
主な映画監督作品:
『はつ恋』(2000)、『天国の本屋~恋火~』『深呼吸の必要』(2004)、『地下鉄(メトロ)に乗って』(2006)、『山桜』(2008)、『真夏のオリオン』(2009)、『小川の辺』(2011)、『起終点駅 ターミナル』(2015)、『花戦さ』(2017)
【主催・会場】特定非営利活動法人映像産業振興機構(VIPO)