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2021.12.15 事業報告
「VIPO Film Lab」国際プロデューサーコース(全10回)実施報告

 VIPO(ヴィーポ)では、映画の国際共同製作を推進し、国際的な感覚や知識を持ち広く世界で活躍する若手プロデューサーを育成することを目的として、2021年6月17日(木)から11月10日(水)にかけて「VIPO Film Lab」国際プロデューサーコース(全10回)を開催いたしました。(※第9回講義の開催日は10月21日から11月10日に変更いたしました。)
 
 国際的に活躍できる若手プロデューサー育成のため、6ヶ月に渡り、世界の映画祭やマーケットの機能、セールスエージェントや企画マーケットの役割、そして、実際の企画マーケット担当者からの実践的なレクチャーや脚本ディベロップメントなど、映画の国際共同製作・海外展開を目指していくうえで必要となる知識を包括的に学べる講義を実施。国内外の経験豊富な業界エキスパートや現役で活躍するプレイヤーを講師陣に迎え、即実践で活用できる基本的な知識やテクニックを身につけることを目指しました。
 

 

実施日と講義内容および講師

第1回:6/17(木) 16時~18時 「世界の映画祭とその機能について」
長谷川敏行氏(SKIPシティ国際Dシネマ映画祭プログラミング・ディレクター)
・第1回講義「世界の映画祭とその機能について」では、映画祭の成り立ちや参加する目的から始まり、世界3大映画祭を始めとする代表的な国際映画祭の背景やプレミアステータスの種類、ジャンル系の映画祭やマーケット、そして、映画祭に付随する主な人材育成や助成金プログラムまでを幅広い視点でご紹介いただきました。
 
第2回:6/24(木) 16時~18時 「映画祭におけるジャンル映画について」
Thomas Nam氏(プチョン国際ファンタスティック映画祭マーケット部門責任者)
・第2回講義「映画祭におけるジャンル映画について」では、主にジャンル映画にフォーカスした代表的な世界の映画祭やマーケットについての分析、現在の国際映画祭におけるジャンル映画の位置づけや世界の映画ビジネスにおけるインパクトなどについてご紹介いただきました。
 
第3回:7/22(木) 19時~21時 「国際共同製作について」
Christophe Bruncher氏(eave)<eave_Ties That Bind*¹/VIPO共同開催>
・第3回講義「国際共同製作について」では、国際共同製作の基本的な枠組や目的、構造の理解、そして共同製作を進めていく上で必要となる各国の助成金や支援についての基本知識やリソースについて、実際に講師によるケーススタディも交えながら詳細にご紹介いただきました。

*1 eave_Ties That Bind:
ヨーロッパとアジアによる国際共同製作を目指すワークショップ。アジアと共同製作経験のあるヨーロッパ映画業界関係者等がメンターとなり、脚本開発、資金調達、マーケティング、コプロダクションの契約などを学ぶトレーニングプログラムを提供。プログラムは、春と秋の2回、ウディネ(イタリア)とシンガポールで開催され、グループワークや個別セッション形式で行われる。(2020年は新型コロナウィルスの影響によりオンラインで開催)
公式サイト http://www.tiesthatbind.eu/

 
第4回:7/29(木) 16時~18時 「セールスエージェントの役割」
Maria A. Ruggieri氏 (Asian Shadows出資買付担当)
・第4回講義「セールスエージェントの役割」では、講師のMariaさんが所属するセールスエージェントAsian Shadowsでの活動を例にセールスエージェントの業務内容や目的などについて紹介いただき、その後、プロデューサーがセールスエージェントと仕事をする上での重要なポイントについてディスカッションを行いました。
 
第5回:8/5(木) 16時~18時 「海外に通用する日本の企画とは」
Maria A. Ruggieri氏 (Asian Shadows出資買付担当)
・第5回講義「海外に通用する日本の企画とは」では、引き続き、講師のMariaさんから海外のマーケットで競うために必要となる企画力や知識についてご紹介いただきながら、ディスカッション形式にて、自国のオリジナル作品と国際共同製作作品におけるメリットやデメリットなどについて幅広く議論しました。
 
第6回:8/19(木) 19時~21時 「オリジナル脚本の進め方 ベーシック理論」
Clare Downs氏 (eave) <eave_Ties That Bind*¹/VIPO共同開催>
・第6回講義「オリジナル脚本の進め方 ベーシック理論」では、具体的に2本の映画を例に脚本の構造分析を行い、脚本の構成の違いについて詳細な分析を行いました。そして、脚本の基本的な三幕構成やシーケンスの構成について、様々な資料を基に紐解いていただきました。
 
第7回:8/26(木) 17時~19時 「世界の映画マーケット(見本市)について」
Sten Kristian Saluveer氏(CEO, Storytek / Strategic Advisor NEXT, Marche Du Film – Festival de Cannes)
・第7回講義「世界の映画マーケット(見本市)について」では、映画マーケットの仕組みや構造、そして、プロデューサーにおけるマーケットの重要性から現状のマーケット・トレンド、マーケットに参加する上で必要となる戦略のプランニングまで、マーケットに参加するために必要となる知識を幅広くご紹介いただきました。
 
第8回:9/30(木) 16時~18時 「国際映画製作 ケーススタディ」
福間美由紀氏(分福プロデューサー)
・第8回講義「国際映画製作 ケーススタディ」では、日本におけるインディペンデント映画概況やセールスエージェントの紹介から始まり、福間プロデューサーが担当された日仏合作映画『LA VERITE/真実』をケーススタディとして、企画~資金調達~制作までの国際共同製作の過程について幅広く、かつ詳細にご紹介いただきました。
 
第9回:11/10(水) 10時半~12時半 「企画マーケットとは?(1)エキスパート編」
Lorna Tee氏(映画プロデューサー IFFAMacao. CinemAsia. paperheart)
・第9回講義「企画マーケットとは?(1)エキスパート編」では、東京国際映画祭審査員として来日されていた講師を迎え、企画マーケットと脚本&企画開発ラボの特徴や違い、プロデューサーにおける企画マーケットの重要なポイントや戦略の考え方、そして、参加する上でのポイントなどについて、ディスカッション形式にて詳細にご紹介いただきました。
※講師の都合により開催日を10月21日から11月10日に変更
 
第10回:10/28(木) 16時~18時 「企画マーケットとは?(2)企画マーケット担当者編」
Matthew Poon氏 (Asian Film Financing Forum HAF担当者)
Park Seri氏(Asian Project Market担当者)
・第10回講義「企画マーケットとは?(2)企画マーケット担当者編」では、アジアを代表する2つの企画マーケット「Asian Film Financing Forum」(香港)と「Asian Project Market」(釜山)の担当者を招き、参加者らとディスカッション形式にてそれぞれの企画マーケットの役割、違いや重要性、応募に関する具体的なポイントや注意事項などプラクティカルな情報について丁寧にご紹介いただきました。
 

 

 セミナー参加者は、映画・映像プロデューサー計21名。終了後に実施したアンケートでは、回答者の9割以上からセミナーの内容に満足(有意義)だったと回答がありました。

  

参加者からのコメント(抜粋)

  • 様々な角度でプロデュース業の学びができました。
  • 横断的に知識を得られるプラン内容で非常にありがたかったです。
  • 現在自分が悩んでいる課題など、講義の内容で色々触れました。非常に勉強になりました。
  • 自分のプロジェクトがめざすべきことを改めて認識しなおすことができ、今後の活動のためにとても有意義な機会となりました。

 

【お問い合わせ】

特定非営利活動法人映像産業振興機構(VIPO)
映像事業部 担当:山田、谷元
e-mail: vipofilmlab@vipo.or.jp