VIPO(ヴィーポ)が事務局を務める令和4年度文化庁委託事業「日本映画の海外展開強化事業」において、ニューヨークで実施する短期実践研修の講師が決定いたしました。講師は、(1)脚本指導、(2)企画書指導、(3)テーマ別講義において実践的な指導を行います。
スクリプトドクターを講師に迎え全体講義・個別による集中的な脚本指導を行い、脚本のフィードバック指導を通して、脚本力の向上を図る。
◉ Christina Lazaridi(クリスティーナ・ラザリディ)氏
[脚本家、コロンビア大学スクールオブアーツ助教授]
アカデミー賞にノミネートされた脚本家であり、ダイナミックなストーリーデザインとオーディエンス・レスポンスにおけるエキスパート。彼女がこれまで執筆を担当した脚本、または積極的に開発に関わった脚本は、カンヌ映画祭(カメラドール受賞)、ベルリン映画祭(金熊賞)、サンダンス、SXSW、アリエル賞(メキシコのアカデミー賞)などで賞を獲得している。受賞作品の脚本開発専門家としての活動は、2019年と2020年に彼女が共同設立した組織「Cine Qua Non Lab」への映画芸術科学アカデミーによる助成金支援によっても評価されている。
企画書についてベーシックな講義を行い、作品と向き合って企画書にまとめることで、企画力の向上を図る。
◉ Jack Lechner(ジャック・レクナー)氏
[映画プロデューサー、コロンビア大学スクールオブアーツ教授]
製作として、オスカー賞ノミネート作『ブルーバレンタイン』、オスカー受賞ドキュメンタリー『フォッグ・オブ・ウォー マクナマラ元米国防長官の告白』、ドキュメンタリー『Untachable』等、多数の映画やテレビ作品を手掛ける。映画会社ミラマックスやフィルム・フォー幹部として製作や開発に携わった作品に『クライング・ゲーム』『グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち』、『フル・モンティ』等。その他に、著書「Take My Eyes Off of You」や絵本「Mary Had A Little Lamp」、ミュージカル「The Kid」内では詩も手掛けた。
◉ Shrihari Sathe(シュリハリ・サテ)氏
[映画プロデューサー、コロンビア大学スクールオブアーツ講師]
NY拠点の映画監督、インディペンデント・スピリット賞受賞映画プロデューサー。プロデュ―スもしくは共同プロデュース作品として、Ritu Sarinとテンジン・ソナム『The Sweet Requiem』、アフィア・ナサニエル『娘よ』、エリザ・ヒットマン『愛のように感じた』、Partho Sen-gupta『Sunrise (Arunoday)』、Bassam Jarbawi『Screwdriver (Mafak)』、ポール・フェルトンとジョー・でナルド『Slow Machine』など。初長編監督作『1000 Rupee Note』は各国映画祭にて30以上もの賞を受賞。現在は、チリ人監督フランシスカ・アレグリア『The Cow That Sang A Song About The Future』とアメリカ人監督ジェイミー・シスレー『Stay Awake』のポスプロ中。最新作Mostofa Sarwar Farooki『No Land’s Man』は釜山国際映画祭2021でプレミア上映。ハリウッド外国人映画記者協会、全米製作者組合、サンダンス・インスティテュート等の奨励生。2016年シネリーチプロデューサー賞受賞、コロンビア大学スクールオブアーツで教壇に立つ。全米製作者組合、IMPPA、SWA-India、映画芸術科学アカデミー会員。
米国を代表する映画支援団体や米国で活躍する映画関係者等を講師として招くテーマ別講義。
◉ Zach Mandinach(ザック・マンディナック)氏
[Gothamナラティブプログラムディレクター]
初長編劇映画およびポスプロ段階の作品を対象とする長編劇映画向け開発ラボと、アメリカ最大の共同製作のためのマーケットThe Gotham Week Project Market長編部門を担当。加えて、ゴッサムの国際フェローシップを通してロッテルダム・ラボやカンヌ・プロデューサーズ・ネットワークにおける独立系プロデューサーの支援も行っている。
◉ Ricky D’Ambrose(リッキー・ダンブローズ)氏
[映画監督、脚本家]
ニューヨーク在住の作家、映画監督。初の長編映画『Notes on an Appearance』は第68回ベルリン国際映画祭でプレミア上映され、米国ではGrasshopper Filmが配給。彼の作品は、サンダンス映画祭、ベネチア映画祭、ニューヨーク映画祭、ウィーン映画祭、New Directors/New Films、全州国際映画祭などのオフィシャル・セレクションに選ばれている。2017年には、Filmmaker Magazineの「25名の新人インディペンデント映画監督」の一人に選ばれたほか、ニューヨーカー誌のRichard Brodyによる「10年代のベスト・ニュー・フィルムメーカー」の一人に選ばれている。また、The Nation, Film Quarterly, n+1, Filmmaker magazineなどに映画や芸術に関する記事も寄稿している。長編第2作『The Cathedral』は、ベネチア・ビエンナーレ・カレッジ・シネマの支援を受け、ベネチア国際映画祭でワールドプレミア、サンダンスで北米プレミアされた。
NYを代表するポストプロダクションカンパニーやサウンドスタジオを視察し、担当者から最新の知見を得る。
◉ Cineric(シネリック):ポストプロダクション
NYで1982年に創立したプロダクションカンパニー。ポスプロ全般をはじめフィルムの修復・復元・保存では40年近くもの間業界トップを走り、保存分野では新作や若手映像作家の新作をアーカイブするための成果物作成にも取り組む。近年は新作映画のプロデュースも多数手がけ、特に若手映像作家を中心とした日本を含む国際共同制作にポストプロダクション業務を数多く提供。参加した作品は、世界三大映画祭を始めとした世界各国映画祭に入選している。
国際共同製作作品例:山崎エマ『甲子園:フィールド・オブ・ドリームス』、スティーブン・ノムラ『Ryuichi Sakamoto: CODA』、アミール・ナデリ『CUT』『モンテ』、福永壮志『アイヌモシリ』
(製作中)蔦 哲一郎『黒い牛』 https://cineric.jp/
◉ Gigantic Studios(ジャイガンティック・スタジオ):音の仕上げ
2006年ブライアン・デヴィン氏により設立された一流のサウンドスタジオ。音響システムがDolby 5.1 & 7.1mixのシアターと、アフレコ室を含むサウンドスタジオとして開始。2016年にDolby Atmos、2Kの仕上げ環境、HDのカラコレ室を備え得る設備に機能拡張。
エミー賞を複数回受賞する、レコーディングミキサーかつサウンドデザイナーであるトム・ポールにより環境設計がなされ、レコーディング・音響の仕上げ環境として他にないレベルを誇る。フォーリー室やオフラインでの編集環境も複数備える。長編劇映画やドキュメンタリーを初めとして、Netflix、Hulu、HBO等のシリーズを多数手掛ける。 https://www.giganticstudios.com/
15年の初長編映画『リベリアの白い血』はベルリン国際映画祭パノラマ部門に正式出品され、ロサンゼルス映画祭で最高賞、インディペンデント・スピリットアワードのジョン・カサヴェテス賞にノミネートする。20年、長篇二作目『アイヌモシㇼ』でトライベッカ映画祭の国際ナラティブ・コンペティション部門で審査員特別賞、グアナファト国際映画祭で最優秀作品賞を受賞。長編三作目の『山女』は22年東京国際映画祭のコンペティション部門に出品された。アメリカのThe Gersh AgencyとRange Media Partnersに監督/脚本家として所属。
【主 催】文化庁
【事務局】特定非営利活動法人映像産業振興機構(VIPO)
日本映画の海外展開を強化するため、欧米の映画先進国において日本映画の上映を実施するほか、日本の映画人材の技能向上及び海外進出促進を目的に、映画関係者等と連携して効果的な短期実研修を実施する事業です。
> 令和3年度実績報告 https://www.vipo.or.jp/news/29289/
特定非営利活動法人映像産業振興機構(VIPO)
「日本映画の海外展開強化事業」事務局
e-mail: aca_cinema_project@vipo.or.jp