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2024.11.22 事業報告
文化庁「活字文化のグローバル発信・普及事業」「フランクフルト・ブックフェア2024」実施報告

 フランクフルト・ブックフェアは世界中の出版社やエージェントが集まる世界最大の書籍の見本市です。今年の「フランクフルト・ブックフェア2024」は、10月16日から20日までの5日間にわたり開催されました。

 VIPO(ヴィーポ)は、文化庁からの委託を受け、令和6年度「活字文化のグローバル発信・普及事業」の一環として、フランクフルト・ブックフェア2024に出展し、下記を実施・開催しました。

(1)日本マンガ市場に関するセミナー
(2)(1)で紹介した作品の中から、版権の案内可能なマンガ4作品をジャパンブースにて展示
(3)マンガ翻訳に関するトークセッション
(4)日本の書籍をドイツで翻訳出版するための商談会 

フランクフルト・ブックフェア2024実施概要

会期 2024年10月16日-18日(ビジネスのみ)、10月18日-20日(パブリックデー)
会場 ドイツ・フランクフルト
テーマ ”FBM24 is Read!ng – Read. Reflect. Relate.”
カントリー・オブ・オナー(主賓国) イタリア
ビジネス関係来場者 115,000人/153ヵ国(2023年:105,000人/130ヵ国)
一般来場者数 115,000人(2023年:110,000人)
プレス 7,500人
出展者 4,300社/95ヵ国
イベント数 3,300
エージェント・スカウトセンター 593デスク完売(約355エージェント)
令和6年度文化庁「活字文化のグローバル発信・普及事業」実施概要

(1)日本マンガ市場に関するセミナー:

 本セミナーでは、日本のマンガ市場の読者層など現状を解説するとともに、海外ではまだ知られていない隠れた名作など様々な作品をとりあげてその魅力を説明し、日本の豊かなマンガ文化がいかに多様な作品を生み出してきたかを紹介しました。ビジネスデーに開催したため、会場には海外出版関係者が集まり、質疑応答では多くの質問が寄せられ、日本マンガに対する関心の高さがうかがえるセミナーとなりました。

<セミナー開催概要>

テーマ “Exploring Japan’s Diverse Manga Universe: Hidden Gems for an International Audience”
日時 2024年10月16日(水)15:00~16:00(現地時間)
場所 International Stage
登壇者
  • Verena MASER氏(翻訳家、作家)
  • 椎名ゆかり氏(文化庁参事官(芸術文化担当)付 芸術文化調査官(メディア芸術担当))
  • Silvana PETKOVIC(VIPO 欧州駐在員)
来場者数 約100名程度

(2)日本マンガ4作品の展示

 文化庁は、日本の多様で豊かな活字文化を海外に発信・普及させるため、(1)のセミナーで紹介した版権の案内可能な日本のマンガ作品の中から、4作品をジャパンブース内の壁面に展示しました。特にセミナー開催後には多くの方が展示作品や単行本を鑑賞しにブースに訪れ、紹介作品の認知度向上に寄与した展示となりました。

展示場所 Hall 5.1_A146, Japan Booth内
展示作品
  1. 『開花アパートメント』飴石
  2. 『フツーと化け物』原作:羽流木はない、漫画:篠月しのぶ
  3. 『マガジンロンド』マツオヒロミ
  4. 『ロスト・ラッド・ロンドン』シマ・シンヤ

(3)マンガ翻訳に関するトークセッション

 マンガ翻訳者のVerena MASER氏が、ステージ上でマンガの新刊を日本語からドイツ語に翻訳する様子を見せながら、マンガ翻訳ゆえの特有の難しさとは何か、そしてそれらはどう解決されるのか、日本のマンガ文化について学びながら、新刊マンガのドイツ語翻訳に協力できるインタラクティブなトークセッションを実施しました。パブリックデーに開催した本イベントには、大人から子供まで、日本マンガに興味を持つ多くの方々が、立ち見を含め200名ほど来場しました。日本語のセリフをドイツ語に翻訳するアイデアを募る時間には、会場から意見が飛び交い、大いに盛り上がりをみせたイベントとなりました。

<トークセッション開催概要>

テーマ “Looking through the translator’s window: How Japanese becomes German”
日時 2024年10月19日(土)13:00~14:00(現地時間)
場所 The Arts+ Stage (Hall 4.1/H57)
登壇者 Verena MASER氏(翻訳者、作家)
来場者数 約200名程度

(4)ドイツ出版社との商談会

 文化庁では日本の多様で豊かな活字文化を海外に発信・普及させるため、日本書籍の海外展開を支援することを目的とし、昨年に引き続き、ドイツでの翻訳出版を目指す日本の事業者とドイツ出版社との商談会を開催しました。本商談会は、ドイツ非営利出版団体のLitpromとの共催で行われました。
 日本からの参加事業者に実施したアンケートでは、「多くの出版社とミーティングをすることができてとても有意義だった」「非常に効率的に商談を行うことができた」などの声をいただきました。

*Litpromについて(https://www.litprom.de/en/about-us/)
Litpromは、フランクフルト・ブックフェアの開催を機に1980年に設立された、出版、ジャーナリズム、文学研究、批評などの分野を専門とするドイツの非営利団体です。アフリカ、アジア、アラブ世界、ラテンアメリカの作品の中から創造性に富む良い作品を選出し、ドイツ語圏での周知を促進していくことなどを目的としています。

<商談会開催概要>

日時 2024年10月17日(木)9:00~13:00(現地時間)
場所 フランクフルト・ブックフェア会場内会議室
参加社数 日本: 5社、ドイツ: 12社
共催 Litprom (ドイツ非営利出版団体)

文化庁事業「活字文化のグローバル発信・普及事業」 https://www.vipo.or.jp/project/jppp/

日本の多様で豊かな活字文化を海外へ発信・普及させるため、海外発信の基盤となる翻訳家の発掘・育成を行うとともに、出版社等による作品の海外展開を促進しています。また、世界の文学関係者、出版関係者等を対象に、日本の活字文化の理解をより深めるための活動を実施しています。


お問い合わせ先

特定非営利活動法人映像産業振興機構(VIPO)
〇令和6年度文化庁「活字文化のグローバル発信・普及事業」事務局
出版・ゲーム事業部:内島、田吹 E-mail: jppp_vipo@vipo.or.jp

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