文化庁は、令和6年度「活字文化のグローバル発信・普及事業」の一環として実施しているJLPP翻訳コンクールにおいて、第9回JLPP翻訳コンクールの授賞式および記念シンポジウム「BUNGAKU DAYS 2025 SPRING」を、2025年2月22日(土)に初めて京都で開催し、同事業を受託したVIPOがその運営を担当しました。
会場は、国立京都国際会館を本会場に、サテライト会場として都内(神保町)にも会場を設けました。京都はあいにく雪に見舞われての開催となりましたが、日本文学に携わる方や翻訳者、出版関係者、学生など、どちらの会場にもたくさんの方にお越しいただきました。
第9回JLPP翻訳コンクールの授賞式では、都倉俊一文化庁長官からのご挨拶のあと、各部門、各言語の最優秀賞受賞者3名・優秀賞受賞者2名に都倉俊一文化庁長官より賞状とトロフィーが授与されました。(参加できなかった優秀賞者2名からは、ビデオメッセージを通じてご挨拶いただきました。)
シンポジウムでは、オープニング基調講演として、又吉直樹氏、チャド・マレーン氏にご登壇いただき、文学・お笑い・翻訳をテーマに対談していただきました。続く3つのセッションでは、作家の井戸川射子氏のほか、第9回JLPP翻訳コンクールの審査委員で日本文学翻訳家のEduard Klopfenstein氏、Polly Barton氏、米出版社HarperVia編集者のAlexa Frank氏らにご登壇いただき、日本の文学作品の翻訳、翻訳家育成に係るテーマについて語っていただきました。さらに特別セッションの冒頭では、作家の今村翔吾氏からビデオメッセージをいただき、その後、株式会社文藝春秋 新井 宏氏、株式会社CTB 三枝亮介氏、チャド・マレーン氏に日本の活字コンテンツのグローバル展開やビジネスの可能性などについてご鼎談していただきました。
なお、本授賞式及びシンポジウムのアーカイブ動画は、下記URLよりご視聴いただけます。(オープニング基調講演を除く)
英語版はこちら https://www.youtube.com/watch?v=8-5xh-FvEAg
日時 | 2025年2月22日(土)13:00~16:50 |
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会場 |
【京都本会場】 国立京都国際会館 Room D(京都府京都市左京区岩倉大鷺町422) https://www.icckyoto.or.jp/access/getting_here/ 【東京サテライト会場】 出版クラブビル 4階 会議室(東京都千代田区神田神保町1-32 出版クラブビル) https://shuppan-club.jp/access ※東京会場は、サテライト会場として同時中継で実施 |
来場者数 |
【京都本会場】137名 【東京サテライト会場】36名 |
受賞者 |
【現代文学部門】英語 最優秀賞: Rebecca Graham (オーストラリア) 優秀賞: 池田 ローラ (アメリカ)、Nicolas Keen (イギリス) 【現代文学部門】ドイツ語 最優秀賞: 庵奈・ザナ (ドイツ) 優秀賞: 該当者なし 【古典文学部門】英語 ※第9回から新設 最優秀賞: 阿部曜子 (日本) 優秀賞: William Fleming (アメリカ)、安和サミハ (日本/バングラデシュ) |
プログラム |
13:00~13:15 第9回JLPP翻訳コンクール授賞式 13:25~16:50 第9回JLPP翻訳コンクール記念シンポジウム 13:25~13:40 オープニング基調講演 『文学・お笑い・翻訳の交差点』 又吉直樹(お笑い芸人、作家) チャド・マレーン(お笑い芸人、映像字幕翻訳家) ※ アーカイブ映像の公開はございません 13:50~14:30 セッション① 『翻訳と創作 ―詩と小説、及び「二人称」の翻訳』 ~翻訳対象の違い、言語の違いの間での最適な訳作り~ 井戸川射子(詩人、作家) Polly Barton(日本文学翻訳家) モデレーター:由尾 瞳(早稲田大学教授、文芸翻訳家) 14:35~15:15 セッション② 『海外における日本文学の翻訳事情と新人翻訳家育成支援のあり方』 ~日本文学翻訳の海外での見方、これに応える翻訳家とは~ Eduard Klopfenstein(日本文学翻訳家、チューリヒ大学日本学名誉教授) Polly Barton(日本文学翻訳家) Alexa Frank(Associate Editor, HarperVia) 15:25~16:05 セッション③ 『古典の翻訳 ―受賞作品にみる古典翻訳の可能性』 ~文学作品としての日本の古典の魅力や、その優れた翻訳に向けて~ Janine Beichman(日本文学研究者、翻訳家、大東文化大学名誉教授) Peter MacMillan(翻訳家、詩人) Meredith McKinney(日本文学翻訳家) 16:10~16:50 特別セッション 『世界が求める日本の物語 ― 活字コンテンツのグローバル展開の可能性』 ※ 特別ビデオメッセージ:今村翔吾(作家) 新井 宏(株式会社文藝春秋ライツビジネス局長) 三枝亮介(株式会社CTB代表取締役) チャド・マレーン(お笑い芸人、映像字幕翻訳家) 17:00~17:50 交流会(関係者のみ) |
主催 | 文化庁 |
Website |
BUNGAKU DAYS 2025 SPRING: https://www.jlpp.go.jp/bungakudays2025_s/ JLPP:https://www.jlpp.go.jp/ |
アーカイブ動画 | https://youtu.be/9j9_v-6hT5Y |
日本の多様で豊かな活字文化を海外へ発信・普及させるため、海外発信の基盤となる翻訳家の発掘・育成を行うとともに、出版社等による作品の海外展開を促進しています。また、世界の文学関係者、出版関係者等を対象に、日本の活字文化の理解をより深めるための活動を実施しています。
JLPP事務局
E-mail: jlpp_office@jlpp.go.jp