株式会社五藤光学研究所
先進コンテンツ技術による地域活性化促進事業 支援事例
株式会社五藤光学研究所360度全球ドローンによる石川県を体感するVRコンテンツ
世界唯一の全球360度撮影可能なドローンにより撮影した12K映像で、VRのコンテンツを制作する。普段は見ることのできない石川県の観光体験を実現するとともに、先進的な映像編集技術を石川県に残す。
今回のコンテンツ制作について
特に気を遣っている点
VRとプラネタリウムの共用を前提としているため、撮影時の飛行速度等に気をつかっている。時速約3km程度の歩くぐらいの速さにしている。また独自開発のドローンは上下に離してカメラを付けるという特殊な機体であるため(18台のカメラで合成)ステッチやスタビライズ作業に特に気をつかっている。
最も苦労した点
撮影予定が天候により左右される予定が直近まで確定できない。また晴れたとしても、風速が5mを超えた場合、撮影に影響が出てしまう。
新たな技術や技法
使用したドローンは、機体の上下にカメラを搭載することでローターや機体がカメラに写り込まないようなっており、また、機体の振動や風の影響で画像がぶれたり歪んだりしないように中央部のカメラを搭載したユニットはジンバル構造(ジャイロ)になっている(特許取得)。現在使用しているドローンは「GUAV3号機」で、三代目の試作機。1回20分くらい飛行ができる。
コスト削減に効果的な独自の手法
通常の360度ドローン撮影では実現不可能な、振動や歪みを撮影段階から軽減しているため、後処理が格段に楽になった。
映像のステッチ後はエクイクティブタングラー形式にして、これをVR用とプラネタリウム用の世界共通の標準フォーマットであるドームマスター形式にして記録。このフォーマットでは、仰角が中心からの距離に均等にマッピングされた射影方式になっており、こうして全球で撮影しておけば、プラネタリウムの形状に合わせた位置合わせが容易にできる。
ユーザーターゲット・年齢制限
特にない。子供から大人まで楽しめるものにしている。
映像酔いを防止する工夫
高スピードや高速パンなどを避け、通常より飛行速度を遅くしている。
没入感・リアリティ・臨場感を高めるための取り組み
VRだけでなくプラネタリウムでも映像を活用することにより、VRとはまた違うドーム映像ならではの臨場感や没入感を一度に多くの人が共有することができる。
プラネタリウムは同時に多人数で体験することができるため情報の共有を目的としたコンテンツが向いており、VR HMDは個人で見る特性があるためインタラクティブなコンテンツに向いていると言える。
地域振興のための注力点
石川県の代表的な観光地を撮影(夏の千枚田、秋の白山紅葉、雪の兼六園等)、ナレーターは地元出身のミュージシャンを起用している。
石川県内各所(観光施設等)でスマホ用簡易VRゴーグルを無償配布予定。
配信先
2月21日に、Google Play StoreおよびApp Storeで専用アプリ「鳥ビュー」(無料)を公開予定
実施事業者からのコメント
本案件で使用したドローンは、最高解像度12kで、VR・ドーム映像用の全球撮影が可能です。
今後も観光VR映像やドーム映像制作において活用していく予定です。