有限会社電マーク

先進コンテンツ技術による地域活性化促進事業 支援事例

有限会社電マーク「ラフティング世界選手権2017」映像配信を核とした地域活性化促進事業

2017年10月に四国吉野川中流域で開催されるラフティング世界選手権においてドローンを使用したインターネットライブ配信、VRによるラフティング体験コンテンツを用いた体験型観光の誘客、クリイティブ人材の育成に取り組む。

今回のコンテンツ制作について

特に気を遣っている点

ドローン4台が競技の様子を遠隔地に常時中継した。インターネット回線の帯域の確保を行いつつ、河川で行われた競技にドローンを飛行させ、上空からの映像をSkypeTXシステムで放送画質で中継をおこなった。(4Kで撮影・記録しているが、ライブ転送はHD画質。)
また、ドローンのバッテリーは浅い放電深度で使用する方が寿命は長くできるため、残量60%くらいで使用を繰り返した。そのため約70個のバッテリーを用意する必要があった。

最も苦労した点

移動・交通、電波などロケ地の環境の事前調査、持ち込む撮影機材の選定、ドローン人員や発着場所の整備など。
360度カメラは耐久性、防水性、競技の邪魔にならない形状などを比較した。約1カ月前に現地入りし、渓谷の谷あいに仮設舞台を設け、撮影・中継、ドローンの離発着を行った。
ラフティング世界選手権2017最終競技のダウンリバーのコースは8kmにおよび、インターネット通信やドローンの飛行で約3kmのエリアの中継をカバーした。

新たな技術や技法

映像の双方向通信技術とドローンとの連携、VRによるラフティングの体験。ドローンのうちの一機については、防水対応のモデルを使用。ドローンの撮影映像と池田ケーブルネットワークによる地上カメラをスイッチングして、ケーブルテレビのライブ中継等にも映像を提供した。

コスト削減に効果的な独自の手法

中継車4台が必要となる現場を、SkypeTX技術によりコンパクトに集約し、小型ワゴン中継車や屋外からの映像中継を可能にした。インターネット回線は、現場での感度が良かったauなど複数の回線を使用し、dispatch等の通信技術を活用し通信の共有・高速化も行なった。

ユーザーターゲット・年齢制限

VR映像のみ13歳以上の年齢制限あり。モニターでの展示やライブ中継は一般向けで年齢制限はなし。

映像酔いを防止する工夫

VRカメラは、内蔵されたスタビライザが機能し、またラフティングボートの設置位置をボート先端につけるなどの工夫により酔いを軽減。利用したVRカメラは360fly(4K)。10mまでの防水性能があり、特に保護ケースがなくても使用できる。丸い形状でひっかかりも防止できる。

没入感・リアリティ・臨場感を高めるための取り組み

VR体験コーナーは、実際のボートを使用し、大型モニターにより映像がみられる工夫をしている。

地域振興のための注力点

地元のクリエイター(やパートナー)と連携し、ドローンによる撮影(や準備・設営作業を)行っている。ドローンの映像はケーブル放送への中継にも使用された。会場は駐車場等の確保が難しく、また安全策のない川辺での観戦は危険なため、ケーブルでのテレビ視聴やパブリックビューイングでの視聴をよくすることは安全対策、交通渋滞の緩和に有効であった。
VRコンテンツは、フォーラムやイベント、海外への観光プロモーションでラフティングを紹介するコンテンツとして市役所等で活用されている。

配信先

YouTubeでの公開。
(1)メイキング
https://www.youtube.com/watch?v=1yzx2-VJImk

(2)VRコンテンツ
チャンネル名:世界選手権in吉野川 ラフティング
https://www.youtube.com/channel/UChIgo5XSqVkzk0xp1N5ehxA/videos

実施事業者からのコメント

4機のドローンと放送業務用の双方向映像通信機器を使った中継は、オープンウォータースイム、ゴルフ、カヌー、サーフィン、ヨット、トライアスロン、ロッククライミング、ヒルクライムなど屋外スポーツ中継や、災害現場や遭難者の捜索でも活用が可能です。
山間部のモバイル通信の環境はあまりよくない場所でしたが、LTE回線でも遅延なく高画質な配信を実現しました。
本事業により、雨天時でのドローン撮影、ウォータスポーツのVR撮影など、防水対策等の知見を得ることもできました。