アジア競技大会の公開競技にも認定され、今後さらなる発展とプレー人口の増加が見込まれるeスポーツ。日本では2018年2月、日本国内におけるeスポーツ産業の普及と発展を目的とした新団体「一般社団法人日本eスポーツ連合(Japan esports Union、略称:JeSU、読み ジェス)が発足。今回は「JeSU」の会長(代表理事)である岡村秀樹氏に、市場や選手の育成、ライセンスの発行などeスポーツのこれからについてお伺いしました。
市井 2010年代がビジネスへの転換期ですね。
岡村 そうです。ゲーム好きが集まってゲームをしているだけであればただのゲーム大会ですが、そこに多くの人が観客として集まれるような配信環境を整えて、ビジネスとして成立させたことが大きな転機になりました。
そこで「JeSU」ではプロ認定制度を作り、公正なルールで一定のレギュレーションに基づいて行われる大会で、上位に位置する人がプロの認定を受けるという仕組みを作っています。
今回多くのゲーム会社が賛同する、ポピュラリティの高いレギュレーションの認定制度を「JeSU」が作りました。これは国家認定試験ではありませんが、社会通念上ずっと担保されていけば、それ自体は取引付随性を目的としたものではない、消費者が害を被るものではないというものになります。プロは「景品表示法」の外枠にあるものとみなされます。
市井 プロが参加して賞金をもらうのは問題なく、上限も決まってない、ということですね。
岡村 プロ制度は高額賞金をとるためだけのものではありません。プロライセンスを持つ高度な技能を発揮した人たちがリスト化されて、国際大会の強化対象選手になります。国際大会ではシード権を与えられたりするので、プロ認定を受けるということは、「JeSU」が窓口になる国際大会に派遣される選手の候補になるというメリットもあります。
市井 アマチュアですごく強い人が生まれた場合は当然、「JeSU」としてはプロ認定に誘うのですか?
岡村 認定を勧めますが、本人の自由ですから、認定は受けなくてもかまいません。
市井 認定は受けないと強化選手として送り出せないのでは?
岡村 国際大会の場合は特別なものの考え方で、プロ認定を受けなくても、送り出すという場合もあります。海外ではライセンスを受けるという認識は全くありません。